A H S S 学会発表報告(2001年、2000年)
演題 | ヘリコバクター・ピロリ菌に対する強い抗菌作用をしめすササ抽出物AHSSによる、細菌の鞭毛鞘のコイル状構造について | |||||
発表者 | 近藤 勇 東京慈恵会医科大学名誉教授 | |||||
要旨 | われわれは、ササ抽出物AHSSが強いく抗菌作用を示すことを明らかにしたが、さらに、電顕写真(倍率5万〜10万倍)の解析から、この抽出物が細菌の鞭毛を保護する細菌鞘を部分的に溶解してしまう作用があることを発見した。 このササによる部分的な構造の溶解現象を詳細に分析した結果、細菌の鞭毛鞘がコイル状の構造をとっていることが判明した。この事実は今日まで国際学会でも、まったく知られていない。 コイルを構成する多糖類たんぱく質が紐様の物質であり、これらが規則的にコイルに巻きついている。ヘリコバクター菌の鞭毛鞘は、鞭毛と鞭毛による運動を強固に保護している。細菌の鞭毛運動は、細菌の生死を決する重要な生命活動のひとつである。とくに、ヘリコバクター菌はきわめて強い胃酸の脅威にさらされており、鞘による鞭毛の保護が特に重要な意味をもっている。(バイオス医科学研究所) | |||||
撮影=近藤 勇 名誉教授 |
演題 | クマ笹抽出物の黄色ブトウ球菌ならびにタイピング・ファージの増殖に及ぼす影響> |
発表者 | 近藤 勇、保科 定頼、河野 緑、菊池 真悟、三木敬三郎 慈恵医科大学細菌学教室、(株)クロロランド・モシリ、日本菌類医化学研究所 |
要旨 | クマ笹は我が国では古来からその抗菌作用が知られている。 循環多段式加圧抽出法により、笹の葉から従来の熱水抽出法を遥かに超える高濃度の活性物質(AHSS)を得ることができた。 AHSSは化膿を起こす黄色ブドウ球菌やしばしば病気を引き起こす緑膿菌を死滅させる効果があるが、また細菌のウイルスであるファージにも作用することがわかった。 このメカニズムは、単に黄色ブドウ球菌の増殖を阻止するのではなく、菌体の内部に浸透し、細胞分裂のサイクルに必要な代謝を混乱させるためにあることが証明された。 |
![]() 発表時の近藤勇先生 |
演題 | クマ笹抽出物の黄色ブトウ球菌ならびにタイピング・ファージの増殖阻止効果 |
発表者 | 近藤 勇、保科 定頼、河野 緑、菊池 真悟、三木敬三郎 慈恵医科大学細菌学教室、(株)クロロランド・モシリ、日本菌類医化学研究所 |
要旨 | 笹の葉から循環多段式加圧抽出法により高効率な抽出が可能となった活性物質(AHSS)を用い、黄色ブドウ球菌のファージ(細菌ウイルス)による感染阻止の分子機構の解明をこころみた。 ウイルスの感染に対し、AHSSはウイルス感染後に、細胞内部でウイルスの遺伝子を切断し変形させていしまう能力のある事が判明した。 |
演題 | AHSS(母子里笹抽出液)引用とヘルスフルルーム(笹ムロ)併用によるヒトの免疫、生化学、血漿成分へ及ぼす効果 |
発表者 | 平田章二、中村峰夫、菊池真悟 |
要旨 | 壁や天井に笹と使ったヘルスフルルームは、低温遠赤外線笹ムロである。AHSSを飲用した後、ヘルスフルルームに入るとNK細胞のCD4,CD8,CD16(−)、CD57(−)は笹室出室直後と1時間後の両方の採血結果で有意差をもって増加した。また、LL-2Rは1時間後の採血結果で有意に増加した。SODはAHSS飲用前、笹室出室直後と1時間後いずれにも統計学的に有意差を認められなかった。 測定時間が1時間と短かったが、AHSS飲用とヘルスフルルーム併用により、ヒトの初期免疫機構が増強されたことが確認され、その有用性が示唆された。 |